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2009/09/15

『グイン・サーガ』第1~2巻読了

小説を読むのは久しぶりである。先日亡くなったと報道のあった栗本薫の代表作である。ライフワークでもあったのだろう。まだ未完である。ジャンルは剣と魔法のファンタジー。

主人公は豹の頭を持つ屈強の戦士グインである。彼は登場した当初から記憶喪失である。少なくとも彼がしばし行動を共にすることになった小さな姉弟は、つい先日滅ぼされたパロという国の王子と王女なのである。王女がリンダ、王子がレムス。王女の方は予知能力がある。あるいは巫女の才能がある。グインは記憶喪失なのに時々いろいろな知識が出てくることがある。これは完全な記憶喪失ではないという説明もできるが、グインもまたシャーマン的な性質を持っているということなのかもしれない。長大な物語の序盤なので、想像するしかない。

グインと小さな姉弟は魑魅魍魎が跋扈する森で出会い、敵国の兵隊に姉弟が襲われている所をグインが助けるのであった。グインが倒したのは小隊であったので、数人~10人である。これがその夜ゾンビーと化して彼らを襲うのであった。作中ではゾンビーとは呼ばず、グールと呼ばれる。食屍鬼と書いていたっけかな。おかしいと思うのは、体を切断されても、それぞれの部位が独立して動き、襲い掛かるというところである。つまりアメーバーのようなイメージになってしまうのである。骨があるからちょっと違うものの、肉だけになっても襲い掛かるのではそういうことだろう。他にイメージできないのである。頭だけで襲ってきたりするのもイメージしにくいのである。超能力で空中浮揚して動くとすると、体に貼りつかれたら勝てないだろう?また、手足がつながっている間は人間のように振舞うのである。液体金属のターミネーターのイメージにも近いかな。ファンタジーといえども、超能力と物理法則をある程度書き分けて欲しいと思った。そしてグインはその窮地を森に火を放って逃れるのであった。

森を脱したグイン一行はスタフォロスの砦の兵隊に捕まってしまう。そこで尋問され、牢屋に入れられる。グインはその珍しい風貌と屈強な体格から、兵隊として徴用される予定。また、その砦の主である伯爵は体が腐る病気に侵されており、皮膚が見えないような装いで登場する。甲冑だったかな?いずれにしても目は露出しているわけで、外気に晒されている部分が皆無ではないのである。体を露出すると、そばにいる人間がみな感染してしまうのだということだったが、それほど感染力が強い病気なら、当の昔にみな感染しているだろう。そういうこともわからんのか、と訝しく思ったりした。但し、この第一巻の最後の方で砦が落とされる時に、伯爵は元の伯爵ではなくて、グールだったのだということがわかる。人間というのは、ほんの簡単なことでも言われてみないと気が付かないことは多いのだったなと思い出させられる。

砦を襲ったのは猿人族であった。サルのホビットというイメージかな。言語は違うという設定。襲撃した猿人族と同種でありながら、違う部族の猿人スニが囚われていて、それはリンダと一緒の牢に入れられている。この後の展開でスニの部族がグイン達を助けてくれるのである。

猿人族は毒矢を持っておびただしい数で砦を攻めてくるのであるが、当然かなりの死者を出していることがわかる。具体的に何人とか書いていないけれども、たとえば数百人は死んでいるのじゃないかな。下手すると千人を超えているかもしれない。ちょっと考えるとわかるけれども、そんな大軍勢で辺境の砦を攻めて、それだけの死者を出すということが考えられないのであった。また、この戦闘の中で破城槌という物が言葉だけ登場するのであるが、くい打ちのハンマー程度のイメージしかできないのである。というのは砦の上の階でもそれを用いているような記述があったからである。80年代前半の作品であり、作者にとって最初の本格ファンタジー小説であろうから、資料集めが足りなかったであろうことが伺えるのである。ネットもなかった時代だし。せめて城の見取り図のようなものを掲載してくれると、イメージしやすかったであろう。地図も載せるべきであっただろう。

典型的な文系であることもあって、描写の仕方が写実的描写ではなくて、いかに文語表現を使うかに心血を注いでいるような気がした。これは文学部出身の作家のトラウマなのではないだろうか。

読みながら私もシャーマンになって、この作品を批評している情景が浮かんできたのである。「具体的にイメージできないんですよね。」という言葉を吐く青年がいた。

第一巻の最後でに砦の屋上から、数百メートル下の川にグイン達が飛び込むところで終わった。

第二巻では、グインの一行は川をいかだで下っていくのであった。その川もまた、化け物が跋扈する川なのだが、大口という化け物が襲い掛かるのである。英語でビッグマウス。この描写もおかしいのである。口しかないという描写である。体については一切描写がない。水上を移動するのも口だけで移動しているという。飲み込んだ水を吐き出して移動しているようではあるが、吐き出したら前進はできない。まさにイメージできないシーンであった。これも実は超能力によって移動しているということじゃないか。それなら空中を飛んでもよさそうである。そしてそんな口だけのピラニアをゼラチンの化け物が飲み込んで、その場は助かるのだが、ゼラチンといえばクラゲをイメージするけれども、漂っているだけのクラゲがすばやい大口を捕らえて飲み込むのは無理なのではないか?

グイン一行を追跡しているモンゴール軍の部隊のボスがほっそりした若くて美しい女性であった。これもまたおかしいと思う。男ばかりの軍にそんな華奢なぺっぴんさんがいて、トイレはどうするのか?普通に考えて襲われてしまうだろうと思う。

グイン一行はいかだを大口にひっくり返されて、反対岸のノスフェラスの荒野を横断して、追っ手を振り切ろうとする。しかし途中で結局つかまってしまう。縄で縛られて、馬の後ろを歩いて部隊の後を行かされるのであった。ただしつかまる前に、一緒に逃げている傭兵がとんずらしており、途中で助けてもらうのであった。そして再び逃走しているところで、猿人の軍が攻めてきて難を逃れるのである。グインと傭兵のイシュトバーンが、猿人50人を借りて、川の方まで戻って偵察にいくのだが、そこには1万以上の兵がやってきているのであった。

やはり地図を掲載してほしかった。距離感覚が全然わからないのである。大体馬で移動する集団に、徒歩で付いてこさせるとしたら、いくら走ってもゆっくりになってしまうだろう。

このまま全巻読むと数万円のお金がかかるので読まないと思うが、古本屋で第三巻まで買ってきたので後一冊は読む予定。但し第一巻は神保町の三省堂で新品を買ったことを付しておこう。第一巻は改訂版とある。

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